2012年11月16日金曜日

袴腰岳

 11月の袴腰岳は、例年、雪を踏むか否か(?)が心をよぎる。登山者の姿も消え、静かな森歩きも楽しめる。丁度そんな季節である。案の定と言うべきか、暖秋の頂上は、うっすらと淡雪があっただけだった。寒気の吹き込みがあって横津山塊に黒雲が来たり行ったりしていた。幸い降雪や雨もなく、風の寒さがあるだけだった。二の腕をだしたら冷気が腕に刺さった。氷点下の気温に、風速10mが加わったからであろう。  むしろ車に乗ったと同時に時雨て、霰て、霙てきた。我が車は夏タイヤだから、林道に雪が積もればやばい。車載の温度計は3℃を示していた。気象予報士の教えは「5℃で霰、3℃で霙」と言っていたが、赤川林道の体験はそのとおりだった。


1 ←登山口(標高566m)通称「第二登山口」(標高487mにあるのは通称「雨量観測所登山口」と言われている)。周辺一帯はトドマツ植林地で、アカエゾマツも植林されている。
 第二登山口から通称ガンピ岱(標高700m台)の間はトドマツ植林地を行くことになる。ここで注目されるのは、トドマツ林内にエゾマツ(植栽木)が見られることだ。おそらくだが、当初、このあたり一帯は、皆伐跡地にエゾマツが植林された。その後成績が芳しくなく、あらためてトドマツに植えなおされたのであろうか。トドマツ植林地内に、最初の植林と思われるエゾマツが点生しているのが、樹肌や幹の直径からそれと分かる。(1960年代までの袴腰岳登山案内書が有れば見たいものだ。ガンピ岱に入る前の「エゾマツ林」について記載されているのではと思う。)




 


2← 袴腰岳への往路の途中にある三角山(889m)からガンピ岱(トドマツ植林地を抜けると700m台のダケカンバ二次林に至る)を望む。

 ダケカンバ二次林の後背に広がる「雑木林とトドマツ植林地」が、パッチ状に配置されている。その先に、新中野ダムそして函館市街・津軽海峡が見渡せる。

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往路                    
 ↓
自宅9時
登山口10時:1時間
登山口10時~三角山11時:1時間
三角山11時~ 
袴腰岳12時:40分
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復路
 ↓ 
袴腰岳12時~
~  三角山12時30分: 30分
三角山12時30分~登山口13時10分:40分
登山口13時10分~
帰宅13時55分:45分
 
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<以下工事中>

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↓3 静かで物音ひとつしないトドマツ植林地。歩道は向こうまで一直線に続いている。針葉樹の厚い堆積腐植はふかふかして、疲れた足にとても心地よいものだ。



↓4 頂上ははうっすらと積雪があった。チシマザサの葉っぱはうっすらと雪で白い。土壌はやや氷結ぎみで、やや堅かった。周辺の展望は、山並みは薄墨画のようで、低く黒い層雲の下にあった。



↓5 頂上のダケカンバ。小枝の表皮が剥がれ、皮がぶら下がっていた(
冬のダケカンバの同定に御あつらい向きの形態)。花芽(雄花)はほとんど着いていなかった。来年のダケカンバは凶作となるか(?)



↓6 ミヤマハンノキの花芽(雄花)は、例年どおり枝先にたくさん着いていた。ミヤマハンノキは、豊凶差の大きなダケカンバと違い、豊作・凶作の年による変動が少ない樹種のようだ。



↓7 ダケカンバの幼樹。冬芽が4mm厚程度の氷に覆われて、冬芽の周りは氷で透明に光っていた。パッチ状のトドマツ植林地が黒く、
三角形凸状の庄司山が遠くに見える。



↓8 ウスバフユシャク(?) 三角山のササ生地付近の歩道の枯れ葉の上に、フユシャク(の仲間)が争うような激しい乱舞をしていた。何をしているのだろうか? 「虫たちの越冬戦略」(朝比奈英三)によると、真冬だけに活動する昆虫だという。<北海道では、10月~12月中旬まで現れ、ホソウスバフユシャクという種類のみが翌春3月~4月ごろ出現する(同書)>晩秋のブナの森で、特にササ生い地のササの葉っぱの周りで、よく見ることがある。さて標準和名は?

















<工事中>