2013年4月5日金曜日

蓬揃山 500.9m

◆2013年4月5日(金曜日) 蓬揃山500.92m
(四等三角点:点名・蓬揃山yomogizoro:選点/埋標/観測は1954年でした)

タイム;KGccゲート発(10:55)―山頂(13:15)―KGccゲート着(15:15)
メンバー:Anp、Tao

天気:晴のち薄曇。帰路は太陽に暈がかかる空模様になり、ほぼ穏やかな陽気の日和でした。函館気象台のデータは最低気温0.1℃、最高気温11.4℃を示し、融雪もかなり進んだ日になったようです。

KGccのゲートから東天紅まで除雪されています。蓬揃山直下までの道路は、ヌカってもくるぶし程度でした。

 ↓① 自動車道路に沿ってゆっくり歩いたことで、新たに気付くこともあります。グイマツLarix gmelinii (Rupr.) Kuzen. ver. japonica (Maxim. ex Regel) Pilg.とヤマハンノキAlnus hirsuta Turcz(コバノヤマハンノキAlnus hirsuta Turcz. var. microphylla (Nakai) Tatew)が7haの広さで列状に配植されていました。

カラマツ(本州に自生)Larix kaempferi (Lamb.) Carrièreと比べてグイマツ(移入種)は遅れて開葉するようだから、5月ごろに実際ここで確かめられるのはうれしい出会いでした。Larix gmelinii (Rupr.) Kuzen. ver. japonica (Maxim. ex Regel) Pilg.


 ↓② シラカバの垂直的分布は、横津岳周辺で詳しく調べた経験はあるが、渡島半島全体ではどの様な傾向であろうか? しっかり知っておきたいと思っていた。この度はKGの自動車道路に沿って標高250m~500mの間で記録することになった。

標高の最も高い所はゴルフハウスの先のヘアーピンを曲がったすぐ先で、道路をcnt430mが交差する所に三本の自生を確かめました。その先には発うう見できませんでした。KGゴルフ場界隈が上限です。大まかですが「シラカンバの垂直的分布は標高400m以下」と言えます。

ゲートのある標高250m付近はダケカンバとシラカンバが混生しています。ゴルフハウスに近づくとダケカンバの割合は増え50%を越えてきます。ゴルフハウスを越えるとシラカンバはほとんど見あたりません。

ダケカンバは亜高山帯の主要樹種ですが、亜高山帯から山地帯まで広く分布しています。シラカンバとウダイカンバは亜高山帯に自生せず、山地帯(冷温帯)に止まります。

この地方ではシラカンバとウダイカンバは山地帯(冷温帯)内に分布しますが、シラカンバはウダイカンバより低い標高域に分布する傾向が見られます。


↓③ ケヤマハンノキAlnus hirsuta Turczが側溝工事跡に一斉に更新していました。土壌は湿り気味(B型)でした。背景の輝石安山岩溶岩(雁皮山溶岩)の上はゴルフ場の平坦なグリーンです。

地質時代は黒松内層前期相当の時代のようです。峨々とした蝦夷松山~雁皮山から地形が緩やかな台地状のKGcc一帯は、同時代の溶岩ということでした。<グルフ場の緩やかな地形は、原地形が残るほど新しい地質でないから、はたして原地形が残った溶岩台地と言えるであろうか?疑問です>


↓④ 道路沿いから三森山方向の様子ですが、道路の法面にダケカンバが一斉更新しています。ケヤマハンノキに比べて適潤土壌(BD型)に更新しています。土壌の性質の違いにも、更新する樹種は反応しているようです。


↓⑤ 北に「袴腰岳」:蓬揃山から見た袴腰岳は、白銀に輝いています。左の高みは雁皮山(北峰)です。


↓⑥ 近くの蝦夷松山と雁皮山が見えます。
蓬揃山の植生メモ20m×20m方形区「H(H8m)=ミズキ、エゾイタヤ、ハウチワカエデ、ミズナラ、シナノキ、ハリギリ、ハルニレ、ホオノキ S(H3~4m)=ノリウツギ、チシマザサ 蔓(5m)=ヤマブドウ、サルナシ


↓⑦ 函館市街の向こうに立待岬、地蔵山


↓⑧ 松倉川を挟んで三森山が見えます。下の樹幹はミズキ。


↓⑨ 3月に登った雁皮山東尾根が見えます。雪庇やクレパスに苦労した山頂部の雪崩斜面は大部分が裸になっています。


↓⑩  万畳敷(台地)と泣面山も見えました。


↓⑪ 今朝の青空は、帰路に着くころになると高層雲が広がってきました。太陽を直視しても眩しくない暈が掛かりました。


↓⑫ 溶岩台地に小さな高まりとなっている蓬揃山ですが、山に貴賎はありません。立派な山でした。
頂上にはキタコブシがたくさん生えていました。生え具合は、あえて群落と呼んでもよさそうです。近所の公園の花芽のようすは「大豊作」でしたが、ここの個体はどれを見ても、花芽はほとんど着いていませんでした。はたして渡島半島ではどちらに同調しているだろうか?