2013年3月17日日曜日

雁皮山(東尾根)

・ 2013年3月17日(日曜日) 雁皮山743.3m(3点名:岩被山)へ、ガンピ岱側(東側)から登った。
・ タイム;陣川発(8:50)―花ノ道(9:50)―ガンピ岱―東尾根下(10:50)―山頂(11:40)―陣川着(13:10)

・ メンバー:SHOTao
・ 天気:快晴のち薄曇り (気象台函館:最低気温―4.3℃ 最高気温9.0℃)

◇ 雁皮山を東から行こうとなりました。僕は初めてですが、Sho氏は単独で前にルンゼ状のところを行ったようです。今日は瘠せた急な岩尾根混じりです。ガンピ岱に立ち入るのも初めてだから期待は大きくなりました。

↓ 東尾根(東稜)の標高差230m、水平距離400mです。
・ 東稜の下部にある岩角の小さな高まりの上は、キノコ雪が乗っていました。

・ 東稜中央部の長い岩稜にもし取り付けば、かなりの時間が必要に感じました。
・ 東稜上部の1/3ほどは安定した尾根でしたが、頂上直下の雪庇の下は大きく口を開けた亀裂が走っていました。

・ 頂上直下の南東面は雪崩斜面(長方形の雪面)です。雪庇と斜面との間に亀裂が入って、岩角が覗いて見えています。



↓・ 雁皮山の南稜東側は、圧倒的な岩壁が見えました。石楠花山あたりでしょうか! 

↓・ ガンピ岱から見上げた蝦夷松山です(中央より右寄りのピーク):雁皮山の南稜の南端に位置します。

↓・ 東稜最下部付近の岩角が雪の下に覗いています。一番上に三角形の頂上が見えます。

↓・ 中央部の岩稜を避けるようにして、東稜の北側に回りました。デブリの急斜面を、中央部の岩稜の上部に向かって慎重に登りました。

↓・ ルンゼ状の急な岩溝を利用して、岩稜上部にはい上がることができました。岩溝では、岩が露出しているところもあり難儀しました。Sho氏に、ロープで確保される場面もありました。
 

↓・ 緊張から解放され、最後の安定した尾根を頂きに向かって登っていきます。気分のいい春の光に酔いながら・・・。
 

↓・ Sho氏は「さ~どうぞ」と、東稜は初の僕に頂上を譲ってくれました。雪庇の上が頂上です。姿勢をただし前に進みました。
 

↓・ うれしい頂上です。(撮影:Sho氏)。雪庇の下の長い亀裂をどうクリアーするか? Sho氏の指示を待ってから・・・クレパス(?)を乗り越えました。

↓・ 頂上にはいあがりました。すでにスノーシュー隊が蝦夷松山の方向から先着していました(彼らは夏はバイク愛好会と言っていた)。
 

↓・ 背景は三森山。大いに満足の日になりました。

2013年3月16日土曜日

峠下無名峰(通称)

・ 2013年3月16日(土曜日)標記の通称「峠下無名峰」・827.2m(三等三角点:下俄郎)を往復しました。(今日の目あての山は・827.2峰の先のピラミダルな”cnt780峰”だったのですが・・・荒天のため・827.2峰止まりになりました)

・ 函館発(6:00)―小鶉相生―駐車地発(7:45)―南西稜―峠下無名峰(9:30~9:40)―駐車地着10:25
・ メンバーSakag Sho Tao 

・ 天気:曇り(「昼ごろから雨、又はみぞれの天気情報」どおりに、厚い層雲で頂上は視界がほとんどなくなって、さらに天候は悪化の兆しでした。(アメダス鶉:最高気温4.9℃、最低気温-4.4℃)


・  峠下無名峰は”峠下から南東稜”と”相生から南西稜”の二つのコースが選べます。私は、これまでも両方のコースを歩いていました。

峠下コースは、”鶉川ゴヨウマツ北限自生地帯”の急峻な斜面と境をなす尾根です。蛾々としたゴヨウマツ自生地の急峻地形の展望を楽しめます。

相生コースは、緩斜面に発達した植林地や幅広い緩やかな尾根コースになっています。ダケカンバ林やブナ林を見ながら、くつろいだ山スキーを楽しめます。

↓ 頂きを境に、東と西の傾斜はかなり非対称になっています。下の断面図の描画は10メッシュ標高値+カシミール3Dで描きました。この非対称地形は、どのような地史が繰り返されたのでしょうか。

(参照:地質navigationを見ます)無名峰の東側斜面を南北方向の大断層が走っています。さらに東の方には磐石岳、鉄砲岳、清水の清見岳、崖沢、サクランボ沢の2峰、厚雲隧道の784.9峰、狗神岳、二股岳等の広がりで同色に色塗られています。







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・ 鶉町そして相生から天作沢川に入り、林道を辿って三角点・372.0の尾根を越えてガロウ沢川側に下り、CNT360付近に設けられた集材土場まで車を入れました。

林道は、作業中の現場ながら館町のH造材の好意があってこそ、ほぼその終点まで車を進めることができたのです。

↓ 土場手前のカラマツ疎林からスタート(CNT360)。カラマツ植林地は「細い雑木林の如し」で、カラマツは何処に在りしか?・・・と思えるほどでした。



↓ トドマツ(1963年植栽、林齢50年)の間伐作業中でした。手前の斜面はカラマツです。その間の安定した尾根を進み、標高点・605の南西尾根にのりました。歩き始めて間もなく、カラマツ疎林の蔓の多い藪の中からエゾライチョウが飛び立ちました。

・ 下の写真は飛び立った痕跡で、彼ら独特の溜め糞では無かったけれど糞と足痕、身体を休めた痕等が残っていました。

↓ カラマツ疎林の浅い谷から、トドマツ境のcnt460の尾根に出たところ、この先が・605に至る安定した尾根だった。尾根の右側に間伐によって倒されたトドマツが見える。左側は皆伐から免れた天然性ブナ、その間に密度高く細い雑木が見える。谷の奥にあたるが、カラマツは全く見えなくなってきた。カラマツは適さなかったのであろうか。

↓ 南西尾根に出ました。スキーの先達と一緒です。幅広く緩やかな尾根です。雪質もほどほどに良さげです。よ~し、彼のシュプールどおりについていこう。そして彼のダウンヒルのコツを学び盗ろう!
そんな帰路を楽しみにしながら後をついて行きました。手前がブナ林で奥がダケカンバ林です。このあたりが垂直的森林帯の界になっていました。

↓ 雪庇も発達している稜線です。案の定空模様はますます悪くなってきました。しかし風は弱く厳しい寒さもなく気分は快適、話題が楽しい尾根歩きでした。

↓ 三等三角点の下俄郎に着いたが、展望は全く望めません。今朝の風雪がエビのしっぽになってナナカマドの枝を覆っていました。


↓ この先に進むことをこの頂きで断念して、スキーの先達と一緒に記念写真。次回cnt780峰に来るときは、”スキーはここにデポだね”と話しながらSHOさんのパチリにおさまりました。頂は、ダケカンバの幼木、チシマザクラ、ナナカマド等でした。

SakagさんのHPを引用すると 

「乙部岳に次ぐ厚沢部町の第2峰で、隣り合っている北斗市にもこれより高い山はないにもかかわらず、不遇な無名峰で「峠下無名峰」という通称まである。

この山より高い山は、南の七ッ岳、東の横津岳、北の狗神岳、西の乙部岳までない。したがって、長く緩やかな尾根を延ばし、ゆったりとした大きな山塊はどこからでも目を引く存在である。」

峠下無名峰にとってとてもうれしい評価でした。