2018年6月23日土曜日

尾札部川

尾札部川の左股と右股を偵察してきた。
 6月に入って4月下旬桜花咲くころの気温に戻ったりした。6月初中旬の函館は変動の激しい天候だったが、このところようやく天候も落ちついてきた。

北海道の青空:5月下旬、ハルゼミの初鳴きがあった後に、初夏突入は叶わず、なかなか気温が上がらなかった。陽射しがなく低温で肌寒い日が続いていた。しかし季節は夏に向かっていた。晴れれば、太陽の力を感じる。抜けるような青空が期待できる。シーズン初の沢登り、その日が来た。

 朝5時起きで尾札部川へ出かけた。自宅からほぼ40㎞。syo・sakag組みの記録がある。既知の沢であるがシーズン初めの沢にはいいと考えていた。
 
 「明日は初沢を」と、沢友SYOさんから誘いがあった。僕は未遡行だが、最近知られてきた尾札部川を…と希望した。夏日の予報でもある。気温に恵まれた沢日であろう。

 尾札部川は、co100m付近で二股の分かれる。水量は右股に軍配上がる。沢相は、左股に表層崩落が数カ所あって大径のブナの木が沢中を覆っていた分左股は減点。明るい川床の滑が続いたり解放的な点からも右股に軍配が上がる。フリーで登れる大きな滑滝の左股も捨てがたいが。
 
 双方の沢を、滝や滑の繰り返しのなくなったあたりで、行動ストップにした。この沢の上流はどうなっているか地形図で想像するしかないが確かめたい気がした。

 滑が続いたり、滝は繰り返して出て来る。高巻きはあっても容易な高巻き。一つの大滝だけは、「チョットひやりとしたが登り終えて満足、しっかり緊張の降りを終えて我技に情けなさが残る」が…尾札部川の渓相は良い。

 左沢で一カ所、右沢で一カ所でロープを出した。安心のためロープを携行する必要はあるが、ロープに頼らない滝登りに挑戦するのもいい。

……………………
◇入渓地点co25m~45m=川汲層の凝灰岩<形成時代:新生代 新第三紀 中新世 後期ランギアン期〜トートニアン期 岩石:デイサイト・流紋岩 溶岩・火砕岩>

◇co45m~co100m二股~左股全域=木直層の凝灰岩<形成時代: 新生代 新第三紀 中新世 後期 ランギアン期〜トートニアン期 岩石: デイサイト・流紋岩 貫入岩>

◇co100m二股付近横断=安山岩質プロピライと石英斑岩<二股分岐co95m~coo105m間=形成時代: 新生代 新第三紀 中新世 後期 ランギアン期〜トートニアン期 岩石: 安山岩・玄武岩質安山岩 貫入岩>

◇二股から右股=石英安山岩質プロピライト<右股co105mから上流=形成時代: 新生代 新第三紀 中新世 後期 ランギアン期〜トートニアン期 岩石: デイサイト・流紋岩 貫入岩>

◇右股co220mまで河床に三か所介在=汐泊川層の硬質頁岩 頁岩互層<形成時代: 新生代 新第三紀 中新世 バーディガリアン期〜前期ランギアン期 岩石: 海成層 砂岩泥岩互層>  *参照:地質ナビ【東海と尾札部】


↓ 7:12 co30 町道終点の火葬場が奥に見える。手前には駐車のフォレスターも。右に分岐している道(維持修理を止めた町道)の大型草本を掻き分けながら進む。植林地もあったりするが、橋梁を二つほど過ぎて入渓地へ至る。 


↓ 廃道の町道終点が入渓地 7:20 co27


↓ 入渓地はゴーロ 7:22


↓ 川汲層凝灰岩:川縁崖も川床も小角礫凝灰岩 7:37


↓ 木直層の凝灰岩:ゴーロが少なくなるころ 7:44


↓ 凝灰岩の滑をしばらく歩いた向こうに美しい大滝が現れた。 7:47


↓ 落ち口の左岸に洞が見える。滝つぼの左岸も洞状にえぐれていた。 7:50 co50



↓ 滝の落ち口を上からのぞく 8:04


↓ 8:08


↓ 8:34


↓ co100m分岐。左股と右股の分岐。 右が水量多い。 8:40


↓ 大滝。左股に入って土石と大木が重なり合う表層崩壊箇所を乗り越えてすぐ緩やかな滝があった。滝の傾斜は下部は25度、上部は40度程度。 8:53


↓ 10:18


↓ 10:23


↓ 10:24


↓ 10:44


↓ 11:34















2018年5月26日土曜日

丸山(知内)

一等三角点 基準点名 丸山 緯度経度 41.5464953333333 140.39791825 標高値 665.29m

知内火山群は矢越海岸に沿って東西に並んでいる(福島丸山、池の岱山、岩部岳、知内丸山、尖山、矢越岬)。知内火山の主稜線上にあって東端に位置している。

登山路は矢越山荘(旧小谷石小学校)から上り、Co50の中ノ沢川を左岸に渡ってスギ植林地の尾根に入る。

痩せ尾根~幅広い尾根~急な尾根~急斜面を登ると、独立標高点・345のブナ美林に至る。

安山岩が露出する急な岩尾根を越えて、猫の額ほどの小さなススキ草原に出る。
ここからは幅の広い緩斜面が続いて山頂に到る。案の定ここはブナーチシマザサ群落で林床は根太のチシマザサに覆われていた。

岩木山が指呼の間に展望できて、海峡の西側から見る津軽の山並みは、その近さが新鮮であった。

2018年5月24日木曜日

エゾハルゼミの鳴きは春の終わり初夏の始まり

妻の要望があって函館山の七曲りコース~千畳敷を往復した。 エゾハルゼミがぎこちなく鳴き始めていました。 先日曜日の恵山八幡コースでもエゾハルゼミの鳴きを確認し合ったところです。 函館の春の終わりで、これが鳴いて初夏に入っていくのです。 関西から赴任してきた青年は、エゾハルゼミの鳴きとニセコ山系のダケカンバ林と初夏の青空と… 心良き記憶となって20年後の今も自然のなかなかいいものの筆頭だそうです。 函館の短い春は終わったのです。 朝夕は引き締まる大気と日中の暑いくらいと感じる季節。 家族ごとに違うストーブの要否はここで終わりになる季節に入ります。

2018年5月22日火曜日

毛無山

三等三角点 基準点名 毛無岳 緯度経度 41.9254008055556 140.544717111111 標高値 750.4[m]

2018年5月12日土曜日

坂口一弘 講演会『ほっかいどう山楽紀行』の著者が語る北海道の山

講演会『ほっかいどうの山』

蔦屋イベントページ http://www.hakodate-t.com/event/19772/

会期:2018年05月12日(土)

時間:14:00~15:30

場所:二階ステージ参加費無料

申し込み方法:申し込み不要

定員:40名

講師/先生:坂口一弘さん

主催…函館蔦屋書店 書籍担当共催・協力-問い合わせ先…0138-47-3771(担当 福島)
坂口:HPリンク先…http://sakag.web.fc2.com/

薬師山(木古内)

道南の最低標高の山(地理院地図に標示された山名)

◆ 新緑の薬師山に行ってきた。サトザクラの多い森林公園風であったが、雑木林の林床には密度が高いオオバクロモジが目立っていた。低木層、草本層と、自然林はそれなりに楽しめた。

2018年5月9日水曜日

雁皮山


下図は30秒メッシュ地理院地図です:函館市の山名「雁皮山」は(独立標高点・747)と(三等三角点(基準点名 岩被山)△743.3)のほぼ中間に記述されています。知らない何らかの来歴があるんだろうぐらいに思って地図を見ることがありました。それと関連ありそうな記述がブログ(下記)に掲載されていました。
.........記...........................
雁皮平について=転載(ブログ)http://sangakuclub.naturum.ne.jp/e3077611.html
【40年前は赤川小学校前でバスを降り、笹流ダムの横の坂道から蝦夷松山まで登山道が一直線に伸びていたのが懐かしい。その頃は現在の雁皮山の山頂から先の標高747mピークまで登山道があり、ピーク手前が雁皮平と呼ばれ山菜の宝庫であった。】
.....................................
その後、往時の頂は・747mだったと山楽人から経験談をいただいた
『質問についてお答えします。私の父(昭和14年生まれ)も山登りが趣味で若い頃から近郊の山を登っていました。私が高校山岳部時代に父から「雁皮山」の話を聞かされ山頂手前の平らな場所を「がんびだいら」と呼んでいたのを記憶しています。昭和53年頃?ウドをザックいっぱいに詰め込んで帰りのバス中に乗り込んだらバスに乗ってる方が羨ましがってたのを思い出します。』
@...................................
◆分かったこと:
①往時の市民は ・747mを山頂としていた。 
②地理院地図からは ・747と△743.3の両方を一体の山として雁皮山と記載している。
◆仮称(其々のピークと北雁皮山・南雁皮山)とでも呼べるであろうか(?)
.....................................

....................
蛇足:小学生の頃の遠足の思い出話しとして良く語られるのは「ガンピ平」である。仮称北雁皮と南雁皮の間ではない別の場所を言うのであろう。
....................

/

2018年4月29日日曜日

・白老岳968 ・2TR点名白老岳944.9 ・3TR点名南白老944.6 SGC


・白老岳968 ・2TR点名白老岳944.9 ・3TR点名南白老944.6 SGC
 白老岳は、白老三山と呼ばれる山群の真ん中に位置している山です。<地形図に山名の記述はあるが三角点が無い白老岳、山名は無いが三角点が設置されている北白老と南白老と併せて通称白老三山と呼ばれています>
 1960年代に幅狭のノルディック板でこの周辺の山々を歩いていたから、2018年4月29日日曜日の登頂は、原生的森林の変わりように目を見張りながら、40年ぶりの山々の再訪は昔日が懐かしい。

............................................................................
・大笛橋下流の広場(旧作業路に駐車)・大笛橋(下流から上流へ渡橋した)・二の沢左岸(北西尾根(登山口))・前白老ピーク(Co870m)・ <TR3(点名:南白老)と白老岳とTR2(点名:白老岳)の白老三山>
...........................................................................


・大笛橋下流側の広場(・標高点520へ続く旧作業路跡地)に駐車した。写真は「河岸段丘に発達したハルニレ林」。写る広場が段丘面を整地して駐車場に利用されていた。横断面を記述しておくと、<写っていないが比高3mを右に上がって国道へ、さらに右に比高3mを下がって長流川の河床。そして二の沢左岸の傾斜20度の斜面へ続く>


・国道から傾斜20度程度の斜面を上がる。ダケカンバの若い二次林の中を登った。原植生はトドマツ・ダケカンバの原生的天然林だった。皆伐された後の写真の二次林の森はどの様な来歴をたどったであろうか。


・程なく幅広い緩やかな斜面になった。傾斜10度程度であろうか、尾根状のゆるやかな斜面は白老岳方向へ続いている北西尾根。伐採跡地に植栽されたトドマツ植林が見えてきた。1965年前後の頃だったか、この流域は針葉樹と広葉樹の混交林(原生林)を大きな面積で皆伐していた。ダケカンバ二次林は、エゾマツ・トドマツ・広葉樹が混じった原生的森林を皆伐した跡地に生林した林であろう。


・緩やかな尾根に植林地が続いていた。植林地と植林地との間をダケカンバ二次林が埋めてた。植林と植林の間は原生的天然林として保護樹帯される帯状の箇所だったと思われる。大径木も生える保護される地帯だったが、小径のダケカンバ林に替わっていた。大きな台形に見える山体は南白老。


・保護樹帯も約束に反し皆伐されていたが、伐採に不適な不整形の大木が用材に適さず残されていた。その樹上に根を張り小径のトドマツが生育していた。樹上のトドマツは直径12㎝程度だから樹齢36年前後と思われる。


・前白老と呼んでいる小ピーク(Co870m)から白老岳を望む:ハイマツの黒い帯が右側スカイラインに見える。その手前の残雪に亀裂が入っている雪堤があって、雪を利用する登頂は今日が最後であろうか(?)。ピーク手前の標高750m付近まで皆伐されてダケカンバの二次林状態だった。それより上部はダケカンバ・チシマザザ群落(亜高山帯)の単純林が広がっていた。山頂の手前の斜面が北東斜面。融雪でハイマツが現れ右に見えるのは北西斜面(融雪の早い斜面方向)。


・厳しい山容の南白老(北白老とともに三角点が埋設されている)。:ササ群落やハイマツ群落が優占する雪崩斜面の南東斜面が見える南白老。低木の森林に覆われる北西斜面もかなり急に見える。堅い雪の時はどんな困難が待っているか?:写真下の手前のハイマツ林は白老岳山頂のハイマツ林。


・北白老(三角点埋設)西斜面:ハイマツがかなり下まで降りていた。白老岳山頂から望む。やはりここでも西斜面は雪解けが早い。                    


山頂標識(上):立派な看板だった(夏も来れるか?) (下)高さのある冬用の山頂標識であろうか。